9月3日(日)【中国上陸と強制中国語講座】

《気持ちいいデッキ》

7時半の朝食の準備が出来たという放送があったので、スウさんと朝食を取る。
魚の切り身と卵焼き、あとはご飯と味噌汁(これがまた薄い)が出るだけのあっさりとした食事。
あっという間にたいらげ、部屋に戻ろうとすると昨日までデッキに出ることが許されていなかったのが、今日は開放していた。
初めてデッキに出ると結構涼しい風が吹いていた。
周りを見渡すと、全てが海。 まだまだ先は長そうだ。
すると、遠くに船が一隻近づいてくる。 こちらに向かっているようだ。
カメラを望遠レンズに替え、思いっきり寄せてみたが分からない。 でもこちらに向かっている事は確かだ。
タバコを一服し、15分くらいたった時、それは仲間の船だと認識できる程近くに見えてきた。
今回、航路として利用している「ゆうとぴあ2」だ。
写真を数枚収めるくらいの短い時間で「ゆうとぴあ2」は小さくなってしまい、あれが下関に行く船なんだな。帰りはあの船と同じ航路なんだな。などと考えながら、見送った。

ゆうとぴあ2現る!

《ブリッジ見学ツアー》

午前10時、船内放送で「ゆうとぴあ」のブリッジを見学出来るとの案内があり、まずは船内中央の案内所に集まる。
30名ほど集まった乗客は女性乗務員の先導でブリッジに向かう。
ブリッジから見た大海原は絶景。 見渡す限りの海は、デッキで見たのとは数倍の感動。
たまに、海の一部が小さな波が立っているところがあり、なんだろう? とブリッジにあった双眼鏡を見ると見た目小魚のような魚が一杯飛んでいるのが分かった。 上空には「かもめ?」らしき鳥も飛んでいたので、かもめ達はそれを狙っているのだろう。

ブリッジ見学 暇つぶしツアー

船長に説明を受ける人たち
多分何も分かっていない様子。

《もうすぐ中国》

あっと言う間に午前中が過ぎ、スウさんとお昼を食べるか食べないかでお互いが悩み、結局朝ご飯が完全に消化していない為、お昼はキャンセル。 ほとんど身体を動かさない我々にとって、ちゃんと朝食を食べたのだから昼食が入る訳が無い。
13時頃。 前方に薄っすらと何かの影が見える。 もしかすると、あれが中国なのか? なんて考えながらも、まだまだ鮮明に見えない。

中国がもうすぐ!
14時頃。 完全に陸の姿が確認出来る。 建物もハッキリ見えるようになってきたら、そこは異国の地。 建物が日本では見ない感じのものばかり。
いっそう高い建物はタワーのようで、電波塔だと言う事を上陸後に知った。
周りの噂では、15時に到着するとの話が出て、私も確かにそれを確信し迎えが16時という事で、急いで田原さんに電話を試みたが圏外なのか応答メッセージが中国語で何を言っているのかが全く分からない。 不安だ。
15時に接岸したのだが、船側の諸般の都合らしく、下船は15半頃になるとのアナウンス。

《不安な中国上陸》

スウさんと一緒に下船し、入国手続きを行う。
もし、ここで中国語で何か言われたらどうしよう。 すごく不安な一瞬。
多分20秒くらいだったのだろうが、この張り詰めた一瞬は3分にも5分にも感じられた。
しかし、入国審査官は何も言うことなく、パスポートにハンコを押して返却してくれた。
まず、私の中国第一歩は何とかなった。 しかしマジで怖かった一瞬。
入国手続きも終わり、港を出るとイキナリ中国人の親父が車のキーを持ち、回しながら私に何かを言っている。
数秒後にスウさんに聞いたらタクシーに乗らないか? と言っていたらしいが、スウさんが「迎えが来るので要らない」と中国語で話したようだ。
約15分くらい待っただろうか・・・港に到着した乗客は私とスウさんだけになり、私にとってはかなりの不安。
本当に迎えに来てくれるの? 田原さん助けて〜!
20分くらいで、田原さん到着。 不安が解消され、涙が出そうになった。
迎えに来てくれたのは青島現地法人の常松さん、以前もお話をした事がある馬さん(この人が、今回の主役かも知れない)、と田原さん。
常松さんは日本に帰るまで日本人だと思っていた。
スウさんが船内で友達になったので、近くのバスセンターまで送ってもらうように頼んだところ、快くOKをしてもらった・・・けど、結局バスセンターがわからず途中で場所を知っているタクシーに切り替えた。
スウさんとはここでお別れ。

《ベタに中国料理堪能?》

迎えの車で 青島麒麟皇冠大酒店(以下麒麟ホテル) まで移動し、チェックイン後、部屋に入る。 私は何も分からないまま馬さんが私の部屋まで荷物を持って来てくれたホテルの従業員にチップを渡した・・・いくら渡したのだろう?
17時半に宿で常松さんと待ち合わせ、夕食会場に行く。

麒麟ホテルの部屋から
28階・・高っ!
青島の高級中華料理屋さんは他の所とチョット違うらしい。 私から見れば、全てが初物なので、いちいち感動していた。
エントランスを抜けると、そこには各種料理の見本(本物)や素材などがズラリと並ぶ。
私たちはそれを見ながら、料理を注文し食べる部屋に戻る。
ちなみに、素材で芋虫があった時は、さすがに背筋が凍る。
これを食べるヤツがいるとは中国も変わった人がいるもんだと思った時、食事に同行してくれた女性の李さんが「これ食べましょうよ」と私に挑戦状を叩き付けるような発言。 私は、即座に「駄目駄目!」と言いながら、両手で×を作り完全に拒絶。
その後の話では彼女は刺身が駄目らしい、日本に来たら絶対刺身食わせてやる。 絶対に。
個室に戻り、円卓を囲む。 実際に中国に行った事の無い人でも分かるような光景。
まずは青島名物青島ビールで乾杯! これが結構飲み易い。 アルコールも3%程度で、ジュースのような感覚で飲める。
乾杯の仕方も面白かった。 7人を大きい円卓を囲んでの乾杯なので、全員がグラスを合わせるのが結構キツイ。 それでも一回目の乾杯は日本流に皆で無理してグラスを合わせたが、乾杯は立たずに円卓の回転板の縁にグラスを合わせるのが中国流。 これは結構楽だ。 日本でもやってみて良いかも。
程なく料理が運ばれてくる、大皿が6〜7皿。 ひと皿の量は・・・5〜6人前くらいありそう。
ひと通り食べてみたが、そんなに辛い料理が出てくる訳では無かった。 青島という土地柄なのかお魚料理が多かったけど、もちろん全て火が通っているものだけ。

《乾杯地獄》

中国人は飲み会の時、何かある度に乾杯をする。 今回の乾杯をした数は・・・数えられないほどやった。
例えば ビールばかり飲んでいると・・・やはりトイレが近くなる。 ん〜、トイレに行きたい。 トイレくらい一人で行かなくては!
個室を出ると、そこは日本語が分からない人達だらけ。 ん〜、でもなんとかなるか!?
廊下を徘徊していると、やはり怪しまれる。 従業員が声をかけそうになった時、馬さんが来た。 「こっちですよ!」って
内心安心したのだが、中国語を喋らないで良くはなったもののチョット物足りなさがあった。
その後もビールの追加、追加で結局7人で30本以上の青島ビールが空となる。

《田原さんはALSOK?》

二次会は、常松さんが用意してくれた所に行くが、ここがどうやらクラブ(昔の言い方をすればディスコ)らしい。
4人で入った店はやたらとうるさく、お互いの話もままならない。
そこで馬さんと、その前に居る人が中国流のジャンケンを始めた。
私にも薦められ、試みたがこれがまた全然出来ない。
中国流ジャンケンは、両手を出し、両手はグーとパー。 2人で同時に出し、0、10、15、20
を言って、言った通りの数が出れば勝ち、スピードはジャンケンと大差なし。
しかし、日本人にとって難しいのは言う数字が中国語であること。
つまり中国語で数字は0(りん)、5(う〜)、10(し〜)、15(し〜う〜)、20(あるし〜)と言う。
私にはとても難しいのでスグにやめてくつろいでいた。
これが日本人にはスグに出ないだろう。 スグに出れば、日本にある中国人の飲み屋に行った人間である事はまず間違いないのではないだろうか。
しかし、セキュリティに関しては私以外の3人は凄かった。 私は荷物を持っていたが大したモノが入っている訳では無かったので適当にテーブルの上とかに置いておいたが、それを田原さんが手に取り、自分の荷物と共に自分の足元に置く。
席を移動した時もそう、シッカリ荷物を手に持って、席を移動し、やはり足元に置いていた。 そんなにチャンスがあれば置き引きされるのか? 結構不思議だった。

《強制中国語講座 第一章》

あまりにも私が退屈そうな顔をしていたのだろうか?、常松さんが私を引っ張り出して踊りに誘う。
私はオネーチャンをあてがわれて多少踊りのふりをするが、この歳で踊りというのもなんなので、にいはお! と言うと、雨あられの中国語の洪水。 いやはや、どうしよう。
助けを求めようにも、彼らは知らないふり。 完全にハメられた。
あまりにもうるさいので、常松さんに近づき「静かな部屋はないか?」と言うと、カラオケボックスに連行され、そこで私とオネーチャンは2人になる。 約5分くらいだろうか、何も話すことが出来ず彼女が何かを言った。
喋りが速くて何を言っているのか全然分からない。
いろいろ悩んだ挙句(そうだ、漢字が書ければ通じるか?)と思い、彼女に紙とボールペンを持ってきてもらう。
「うを(私)」、「に〜(あなた)」位は分かっていたので、に〜と言いながら紙に【名・姓とか書いたら】彼女に通じた。
どうやら名前は喜真(xi zhen:し〜じぇん)と言うようだ。
私の名前を漢字で書いたら、「し〜いえろんつ」と言った。 私の名前を憶えてくれたようだ。
そんなこんなで、簡単な中国語と筆談と身振り手振りで、強制中国語講座は約2時間くらい続いた。
状況が状況なので、酔いも回らず、かなりの疲労。 0時頃に宿に戻り、そのまま爆睡。
後から聞いた話なのだが、常松さんが田原さんと馬さんには伝えていなかったせいか・・私が彼女とどこへ行ったのか二人は心配していたそうだ。
「静かな所に行きたい」とはホテルにでも行ったのか? と勘違いされていた模様。
青島のどこに、そうゆうホテルがあるのかも分からないし、セキュリティ面で初めての日本人は夜の一人歩きは大変危険。
そんなヤツが安易にホテルに連れ込むかっちゅーの。
なんとか仲良くなった喜真さんとも一夜限りの出会い。
帰り際に喜真さんとは、拳を突き合わせる挨拶で帰る。
楽しいひとときも、明日の宴会では地獄を見る事に・・・
後から聞いた話だが、同行の馬さんは、あれから1時間以上、中国式ジャンケンをオネーチャンとやっていたらしい。 これもある意味凄い。

《トイレの肩モミ注意!第一弾》

中国にはとても面白い人が居る、というかウザい人がいる。
田原さんから、トイレに行く前に前もって聞いたものの、何がなんだか判らなかった。 「兎に角、何かされたら不要(ぶ〜やお)と言いなさい」と。
余計心配になる。 殺されないだろうなぁ・・・と。
しばらくしてトイレに入ると、お兄ちゃんが立っていて「なんだろう?この人? もしかしたら、この人がそうか?」と思い、普通にトイレで小を行っていたが突然、私の肩を柔らかく揉み始める。 やり方が結構キモイ。
途中まで出ていたものが一気に止まる。
とっさに私は田原さんから教えてもらった不要(bu yao:ぶ〜やお)を連発して止めさせる。
その後手を洗おうとすると、水を出し始めたり、手拭を出してくれたりする。
ふと、横を見るとお金が置いてある。 どうやらチップを求めているらしい。
ここでは全て「不要!」で逃れ、用を足した。 あ〜疲れる。

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